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安全データシート
アセチルブロマイド
作成日 2012年3月30日
改訂日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称アセチルブロマイド(Acetyl bromide)
製品コード23A5028
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急時の電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限水酸基の選択的アセチル化剤
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
物理化学的危険性引火性液体区分4
健康に対する有害性皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性区分2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)区分3(気道刺激性)
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分3
水生環境有害性 (長期間)区分3
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、環境有害性については12項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示感嘆符
注意喚起語警告
危険有害性情報可燃性液体
皮膚刺激
強い眼刺激
呼吸器への刺激のおそれ
長期継続的影響により水生生物に有害
注意書き
安全対策炎や高温のものから遠ざけること。
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
取扱後は手などをよく洗うこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
環境への放出を避けること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
応急措置吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合:多量の水と石けんで洗うこと。
  特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
  汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
医師の診断、手当てを受けること。
火災の場合には、火元への燃焼源を断ち、適切な消火剤を使用して消火すること。
保管換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
廃棄内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
他の危険有害性水との接触禁止

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名アセチルブロマイド
別名臭化アセチル、1-ブロモアセトアルデヒド、1-ブロモエタノン、Acetic acid bromide、1-Bromoacetaldehyde、1-Bromoethanone
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C2H3BrO (122.96)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号506-96-7
官報公示整理番号(化審法)(9)-17
官報公示整理番号(安衛法)(9)-17
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし。

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
安静。半座位。人工呼吸が必要なことがある。医療機関に連絡する。
医師に連絡すること。
医師または医師が認定した者による適切な吸入療法の迅速な施行を検討する。
皮膚に付着した場合多量の水と石けんで洗うこと。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐ。吐かせない。 医療機関に連絡する。
予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状吸入 : 腹痛、咽頭痛、咳、灼熱感、息切れ、息苦しさ      蒸気を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。
皮膚 : 痛み、発赤、水疱、皮膚熱傷
眼 :痛み、発赤、重度の熱傷、視力喪失
経口摂取 :灼熱感、腹痛、ショック/虚脱
この物質および蒸気は眼、皮膚、気道に対して腐食性を示す。経口摂取すると、腐食性を示す。
  肺水腫の症状は 2〜3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。
これらの影響は遅れて現われることがある。医学的な経過観察が必要である。
応急措置をする者の保護データなし。
医師に対する特別注意事項この物質および蒸気は眼、皮膚、気道に対して腐食性を示す。経口摂取すると、腐食性を示す。蒸気を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。これらの影響は遅れて現われることがある。医学的な経過観察が必要である。
肺水腫の症状は 2〜3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。
医師または医師が認定した者による適切な吸入療法の迅速な施行を検討する。

5.火災時の措置
消火剤粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂
使ってはならない消火剤水との接触禁止
特有の危険有害性当該製品は分子中にハロゲンを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。
当該製品は分子中にハロゲンを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、ハロゲン酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。
水などの消火薬剤と激しく反応する。
水との接触禁止
加熱すると分解し、臭化水素、臭化カルボニルを含む有毒で腐食性のフュームを生じる。
特有の消火方法消火作業は、風上から行う。
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。
関係者以外は安全な場所に退去させる。
消火に粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂を使用すること。
水を噴霧して容器類を冷却するが、この物質に水が直接かからないようにする。
消火を行う者の保護消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスク、自給式呼吸器付完全保護衣など)を着用する。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
必要に応じた換気を確保する。
危険区域から立ち退く! 
環境に対する注意事項この物質を環境中に放出してはならない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材漏れた液やこぼれた液を密閉式の容器に出来る限り集める。
水と触れさせてはいけない。残留液を乾燥砂または不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。
漏出物の上をむやみに歩かない。
火花を発生しない安全な用具を使用する。
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
安全取扱い注意事項炎や高温のものから遠ざけること。
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
取扱後は手などをよく洗うこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
あらゆる接触を避ける! 
環境への放出を避けること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
火気厳禁
換気、局所排気、または呼吸用保護具。
この蒸気は空気より重い。
衛生対策取扱い後は手などをよく洗うこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
火気厳禁
食品や飼料から離しておく。
乾燥。
床面に沿って換気。
容器包装材料湿気が存在するとき、大部分の金属は強く腐食される(ホンメル(1996))という情報がある。
本品は、空気中の水分を吸収すると金属に対する腐食性が強くなるため、取扱時の材質に注意する。SUS-316以上の材質か、ポリエチレン、FRPなどの樹脂系の材質を使用すること。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2010年度版)未設定
ACGIH(2011年版)未設定
設備対策蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
保護具
呼吸器の保護具呼吸器用保護具を着用すること。
手の保護具保護手袋を着用すること。
眼の保護具保護眼鏡、保護面を着用すること。
皮膚及び身体の保護具保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体(Lide (90th, 2009))
無色(Sax (11th, 2004))
臭い刺激臭(HSDB (2003))
臭いのしきい(閾)値データなし。
pHデータなし。
融点・凝固点-96℃(Merck (14th, 2006))
沸点、初留点及び沸騰範囲76℃(Merck (14th, 2006))
引火点>71℃ (CC) (ホンメル (1996))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし。
燃焼性(固体、気体)データなし。
燃焼又は爆発範囲データなし。
蒸気圧122 mmHg(25℃)(HSDB (2003))
蒸気密度 (air = 1): 4.2(ICSC (1997))
密度1.52 (9.5℃/4℃) (Sax (11th, 2004))
溶解度水:208000 mg/L(SRC Phys Prop (Access on May. 2011))
ベンゼン、ジエチルエーテル、クロロホルムと混和(Gangolli (2nd, 1999))
n-オクタノール/水分配係数-0.38(SRC Phys Prop (Access on May. 2011))
自然発火温度データなし。
分解温度データなし。
粘度(粘性率)データなし。

10.安定性及び反応性
反応性情報なし。
安定性情報なし。
危険有害反応可能性加熱すると分解し、臭化水素、臭化カルボニルを含む有毒で腐食性のフュームを生じる。水、メタノール、エタノールと激しく反応し、臭化水素を生じる。 水の存在下で、多くの金属を侵す。
避けるべき条件裸火禁止
混触危険物質水との接触禁止
危険有害な分解生成物加熱すると分解し、臭化水素、臭化カルボニルを含む有毒で腐食性のフュームを生じる。

11.有害性情報
急性毒性
経口データなし。GHS分類:分類できない
経皮データなし。GHS分類:分類できない
吸入:ガスGHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミストデータなし。GHS分類:分類できない
皮膚腐食性及び刺激性皮膚に対し強い刺激性がある(HSDB (2003))と記載されている。また本物質は水と激しく反応し、腐食性である臭化水素を発生する(ICSC(J) (2003))。GHS分類:区分2
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性本物質が眼に入った場合、重度の損傷を引き起こす可能性があるが、角膜の熱傷を起こした1例では48時間以内に回復が報告されているとの記述(HSDB (2003))がある。なお、本物質は水と激しく反応し腐食性である臭化水素を発生する(ICSC(J) (2003))。GHS分類:区分2
呼吸器感作性データなし。GHS分類:分類できない
皮膚感作性データなし。GHS分類:分類できない
生殖細胞変異原性データなし。GHS分類:分類できない
発がん性データなし。GHS分類:分類できない
生殖毒性データなし。GHS分類:分類できない
特定標的臓器毒性(単回ばく露)本物質は粘膜を急性的に刺激し、吸入により気道に一次刺激性を示すとの記述(HSDB (2003))がある。GHS分類:区分3(気道刺激性)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)データなし。GHS分類:分類できない
吸引性呼吸器有害性データなし。GHS分類:分類できない

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性) 魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50 = 40.6mg/L(AQUIRE, 2012) から、区分3とした。GHS分類:区分3
水生環境有害性(長期間) 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分3であることから、区分3とした。GHS分類:区分3
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。
国際規制 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。
(臭化アセチルとして、輸送上での腐食性物質とする場合には、以下に該当する。)
国連番号1716
国連品名臭化アセチル
国連危険有害性クラス8
容器等級K
海洋汚染物質該当しない。
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報消防法の規定に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号156

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
消防法第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体
船舶安全法腐食性物質
航空法腐食性物質

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。