安全データシート
ホルムアルデヒド
作成日 2003年05月06日
改訂日 2006年03月23日
改訂日 2006年03月27日
改訂日 2008年01月11日
改訂日 2018年03月16日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称ホルムアルデヒド (Formaldehyde)
製品コードH29-B-039
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限ポリアセタール樹脂・ユリア樹脂及びメラミン樹脂接着剤・フェノール樹脂・合成ゴム・メラミン樹脂(接着剤を除く)・ユリア樹脂(接着剤を除く)原料、溶剤、医薬・繊維処理剤・紙力増強剤・土木建築材料原料、キレート剤、農薬合成原料、石炭酸系・尿素系・メラミン系合成樹脂、農薬(失効農薬)、消毒剤

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性可燃性/引火性ガス
(化学的に不安定なガスを含む)
区分1
高圧ガス液化ガス
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
急性毒性(経皮)区分3
急性毒性(吸入:ガス)区分2
皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2
呼吸器感作性区分1
皮膚感作性区分1
生殖細胞変異原性区分2
発がん性区分1A
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分1 (神経系、呼吸器)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1 (中枢神経系、呼吸器)
分類実施日
(環境有害性)
環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分2
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。
GHSラベル要素
絵表示炎ガスボンベどくろ健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報極めて可燃性又は引火性の高いガス
高圧ガス:熱すると爆発のおそれ
飲み込むと有害
皮膚に接触すると有毒
皮膚刺激
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
強い眼刺激
吸入すると生命に危険
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれ
神経系、呼吸器の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系、呼吸器の障害
水生生物に毒性
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。
 応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
直ちに医師に連絡すること。
呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。
汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
漏洩ガス火災の場合:漏えいが安全に停止されない限り消火しないこと。
安全に対処できるならば着火源を除去すること。
特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
 保管容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名ホルムアルデヒド
別名オキソメタン
メチルアルデヒド
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)CH2O (30.03)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号50-00-0
官報公示整理番号
(化審法)
2-482
官報公示整理番号
(安衛法)
2-(8)-379
分類に寄与する不純物及び
安定化添加物
情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。半座位をとる。人工呼吸が必要な場合がある。直ちに医療機関に連絡する。
皮膚に付着した場合多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。吐かせない。直ちに医療機関に連絡する。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:咳、咽頭痛、胸部の灼熱感、頭痛、息切れ
皮膚:発赤
眼:流涙、発赤、痛み、かすみ眼
応急措置をする者の保護救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。
医師に対する特別な注意事項医師又は医師が認定した者による適切な吸入療法の迅速な処置を検討する。

5.火災時の措置
消火剤供給源を遮断する。それが不可能でかつ周辺に危険が及ばなければ、燃え尽きるにまかせる。その他の場合は粉末消火剤、二酸化炭素を用いて消火する。
使ってはならない消火剤火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。
特有の危険有害性加熱により容器が爆発するおそれがある。
気体を放出すると、急速に冷たい腐食性の霧となり、広範囲に広がる。
特有の消火方法水を噴霧して圧力容器を冷却するが、この物質に水が直接かからないようにする。
消火活動は、有効に行える十分な距離から行う。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び
緊急措置
関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(自給式呼吸器付気密化学保護衣等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材危険でなければ漏れを止める。
すべての発火源を取り除く。
散水や水噴霧等により拡散させ、ガスを吸収する措置を取る。
ガスが拡散するまでその場所を隔離する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
容器は丁寧に取扱い、取り付け作業等では漏えいに注意する。
使用後はバルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件耐火設備で保管すること。
容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
日光から遮断し、換気の良い冷所で保管すること。
強酸化剤、強酸及び強塩基から離しておくこと。
安全な容器包装材料消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度0.1 ppm
許容濃度
日本産衛学会(2017年度版)0.1 ppm、0.12 mg/m3
ACGIH(2017年版)TLV-TWA: 0.1 ppm、0.12 mg/m3
TLV-STEL: 0.3 ppm、0.37 mg/m3
(DSEN; RSEN)
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸用保護具呼吸用保護具を着用する。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグル又は眼用保護具を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状気体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
ほぼ無色のガス[注:水溶液中で使用されることが多い] (HSDB (2017))
臭い刺激臭 (HSDB (2017))
臭いのしきい(閾)値60〜220 μg/m3 (HSDB (2017))
pH2.8〜4.0 /ホルムアルデヒド溶液 (HSDB (2017))
融点・凝固点-92℃ (HSDB (2017))
-117℃(凝固点) (GESTIS (2017))
沸点、初留点及び沸騰範囲-20℃ (ICSC (J) (2012))
引火点85℃ (ガス) (HSDB (2017))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)情報なし
燃焼性(固体、気体)可燃性ガス (HSDB (2017))
燃焼又は爆発範囲7 〜 73 vol% (GESTIS (2017))
蒸気圧5,176〜5,185 hPa (25℃) (GESTIS (2017))
蒸気密度1.067(空気= 1) (HSDB (2017))
比重(相対密度)0.815 (化学商品 (2016))
溶解度水:4.00×105 mg/L (20℃)(HSDB (2017))
エタノール及びクロロホルムに可溶。エーテル、アセトン、ベンゼンと混和 (HSDB (2017))
n-オクタノール/水分配係数log Kow = 0.35 (HSDB (2017))
自然発火温度430℃ (GESTIS (2017))
分解温度情報なし
粘度(粘性率)0.1421 cP (25℃)(HSDB (2017))

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性水の存在下で徐々に重合する。
危険有害反応可能性アルカリとの接触や、水に溶解している場合、重合する。 加熱すると、有毒なヒュームを生成する。 強酸化剤、強酸及び強塩基と激しく反応し、爆発の危険をもたらす。
避けるべき条件混触危険物質との接触
混触危険物質強酸化剤、強酸、強塩基
危険有害な分解生成物加熱すると、有毒なヒュームを生成する。

11.有害性情報
急性毒性
経口GHS分類: 区分4
GHSの定義におけるガスであるが、本物質の2〜4%水溶液をラットに経口投与した試験のLD50値として、600〜700 mg/kg及び800 mg/kg (いずれもSIDS (2003)) との報告がある。この報告に基づき、区分4とした。
経皮GHS分類: 区分3
GHSの定義におけるガスであるが、本物質の水溶液であるホルマリンを用いたウサギの経皮ばく露試験のLD50値として、270 mg/kg (HSDB (Access on June 2017)) との報告がある。この報告に基づき、区分3とした。
吸入:ガスGHS分類: 区分2
ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、480 ppm (SIDS (2003)) との報告に基づき、区分2とした。
吸入:蒸気GHS分類: 分類対象外
GHSの定義におけるガスである。
吸入:粉じん及びミストGHS分類: 分類できない
GHSの定義におけるガスである。水溶液由来のミストの情報もないので分類できないとした。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性GHS分類: 区分2
ヒトに対する本物質 (ガス) の短期ばく露の知見はないが、本物質に 2.4±0.49 ppm の濃度で15時間/日、2ヵ月間ばく露されたボランティアの試験で27%のボランティアに皮膚刺激がみられたとの報告がある (ATSDR Addendum (2010))。また、解剖学実験室に換気ファンを設置することにより本物質 (ガス) の濃度が2.70 ppmから0.715 ppmに低下した結果、皮膚炎の程度が減少したとの報告 (ATSDR Addendum (2010)) がある。これらの結果から区分2とした。なお、本物質の水溶液については、1%水溶液のヒト皮膚への閉塞適用で試験に参加した者の約5%に刺激性を示したとの記載や、0.1〜20%水溶液がウサギの皮膚に軽度から中等度の刺激性を示したとの記載がある (いずれも EHC 89 (1989))。EU CLP分類において本物質はSkin Corr. 1B に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性GHS分類: 区分2
本物質 (ガス) に0.06 mg/m3 以上の濃度で短時間ばく露されたヒトに眼刺激性がみられた事例や、0.39〜0.6 mg/m3 で8時間/週、8週間ばく露された医学生53人中9人で眼に灼熱感を認めたなど、本物質が眼刺激性を示す複数の事例 (EHC 89 (1989)) がある。また、マウスを用いた本物質 (ガス) 0.6 mg/m3 による眼刺激性試験において眼刺激性を示したとの記述 (EHC 89 (1989)) から、区分2とした。なお、本物質の水溶液については、ウサギを用いた眼刺激性試験で、5%及び15%水溶液がグレード8 (最大値10) の眼刺激性を示したとの記載 (EHC 89 (1989)) がある。
呼吸器感作性GHS分類: 区分1
日本産業衛生学会において感作性物質の気道第2群に分類されている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2007)) ことから、区分1とした。なお、マウス及びモルモットを用いた感作性試験において本物質が吸入性アレルゲンへの感作性を増強させたとの記述 (CICAD 40 (2002))、ヒトにおける本物質の継続ばく露による呼吸障害の発症などの複数の事例の記述 (DFGOT (2014) (Access on June 2017)) がある。
皮膚感作性GHS分類: 区分1
日本産業衛生学会において感作性物質の皮膚第1群に分類されている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2007)) ことから、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Sens. 1 に分類されている(ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。
生殖細胞変異原性GHS分類: 区分2
In vivoでは、吸入ばく露、腹腔内投与によるラット、マウスの優性致死試験で弱陽性及び陰性の結果が得られているが、弱陽性の結果については遺伝毒性を示す証拠でないと評価されている (NITE初期リスク評価書 (2006)、ACGIH (7th, 2015)、NICNAS (2006)、ECETOC TR2 (1981))。本物質の蒸気によるヒトの職業ばく露事例で、鼻粘膜細胞に小核誘発が認められ、またラットの経口投与において胃腸管細胞に小核誘発が認められている (ATSDR (1999)、NITE初期リスク評価書 (2006)) が、マウスの経口投与において骨髄細胞の小核試験は陰性である (NITE初期リスク評価書 (2006)、NICNAS (2006))。さらに、本物質の蒸気によるヒトの職業ばく露事例で末梢血リンパ球に染色体異常及び姉妹染色分体交換が、また、ラットの末梢血、肺細胞、マウスの脾臓リンパ球を用いた染色体異常試験で陽性結果が認められているが (CICAD 40 (2002)、NITE初期リスク評価書 (2006)、NICNAS (2006)、ATSDR (1999))、ラットの骨髄細胞、マウスの末梢血を用いた染色体異常試験、ラットの末梢血を用いた姉妹染色分体交換試験で陰性、マウス精母細胞の染色体異常試験で陰性の報告もある (NITE初期リスク評価書 (2006)、NICNAS (2006)、ATSDR (1999))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (NITE初期リスク評価書 (2006)、NICNAS (2006)、ATSDR (1999))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。
発がん性GHS分類: 区分1A
多くの疫学研究から、ホルムアルデヒドは鼻咽頭がん及び白血病を生じること、また本物質へのばく露と副鼻腔がんとの間に正の相関のあることが報告されており、IARCはヒトでの発がん性について十分な証拠があると結論した (IARC 100F (2012))。実験動物でもラット、又はマウスに吸入ばく露した発がん性試験において、ラットで鼻腔の腫瘍 (主に扁平上皮がん、その他扁平上皮乳頭腫、ポリープ状腺腫・がんなど)、マウスで鼻腔の扁平上皮がん、リンパ腫がみられたとの報告など発がん性を示す十分な証拠があるとされた (IARC 100F (2012))。以上より、IARCは本物質をグループ1に分類した (IARC 100F (2012))。この他、EPAがB1に (IRIS (1989))、NTPがKに (NTP RoC (14th, 2016))、ACGIHがA1に (ACGIH (7th, 2017))、EUがCarc. 1Bに (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))、日本産業衛生学会が第2群Aに (許容濃度の勧告 (2016): 1991年提案) それぞれ分類している。以上、既存分類結果からは区分1A又は区分1Bとなるが、IARC、ACGIH等の分類結果を優先し、区分1Aとした。
生殖毒性GHS分類: 分類できない
ホルムアルデヒドにばく露された女性作業者では妊娠期間の増加がみられたとの報告、及びばく露された作業者において女性の妊娠及び男性の精子数及び精子の形態には対照群との間に差はなかったとの報告はいずれも研究計画等の制限から信頼性のある結論を導けないとNICNASは記述している (NICNAS (2006))。実験動物では妊娠ラットに吸入ばく露した2つの発生毒性試験において、母動物に体重増加抑制が生じる濃度 (10 ppm、39 ppm) で胎児には軽微な影響 (胎児体重の低値) がみられただけであり (CICAD 40 (2002)、NITE初期リスク評価書 (2006))、その他、妊娠マウスに飲水投与した試験でも母動物の致死量でも発生影響はみられていない (NITE初期リスク評価書 (2006))。NICNASはヒト及び実験動物のデータに基づくと、ホルムアルデヒドは生殖毒性物質、発生毒性物質としての分類基準を満たさないと結論している (NICNAS (2006))。また、ACGIHにはホルムアルデヒドによるばく露が動物やヒトに有害な生殖発生影響を生じるという決定的な証拠はないとの記述がある (ACGIH (7th, 2015))。
以上、ヒトの情報は不十分で、かつ実験動物では発生影響はないと考えられるものの、生殖能・性機能に関する情報が欠落している。したがって、データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)GHS分類: 区分1 (神経系、呼吸器)
ヒトでは本物質の急性吸入ばく露により、鼻、喉の刺激を生じ、濃度依存的に不快感、流涙、くしゃみ、咳、吐き気、呼吸困難を伴い、死に至る場合もあるとの記載がある (NITE初期リスク評価書 (2006))。鼻及び喉への刺激性は0.6 mg/m3 (0.48 ppm) 以上で認められたと報告されている (NITE初期リスク評価書 (2006))。実験動物では、ラットの単回吸入ばく露試験で、10 ppm、4時間の吸入ばく露で鼻腔粘膜における線毛損傷、細胞の腫脹、杯細胞の粘液分泌が認められたとの報告がある (SIDS (2003))。また、別のラットの30分単回吸入ばく露試験で、120 mg/m3 (100 ppm相当。4時間換算値: 35.36 ppm) 以上で流涎、呼吸困難、嘔吐、筋肉及び全身の痙攣、死亡がみられ、病理組織学的解析の結果、気道の炎症、細気管支肺胞部の狭窄、肺水腫が認められたとの報告がある (SIDS (2003)、EHC 89 (1989)、NITE初期リスク評価書 (2006))。実験動物で影響がみられた用量は、区分1範囲に該当する。したがって区分1 (神経系、呼吸器) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)GHS分類: 区分1 (中枢神経系、呼吸器)
ヒトについては、0.07〜0.7 ppm のホルムアルデヒドに10.5年間ばく露された75名の木製品製造労働者に、鼻粘膜上皮の線毛消失及び杯細胞過形成 (11%)、扁平上皮化生 (78%) 及び軽度の異形性 (8%) 等が観察されている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2010)) 等、鼻腔の刺激が複数報告されている。また、職業的にホルムアルデヒドにばく露された組織学研究所の技術者において、ふらつき、めまい、平衡感覚の消失、手先の器用さの低下がみられたとの報告もある (ACGIH (7th, 2015))。
実験動物については、ラットを用いた蒸気による13週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分1のガイダンス値の範囲内である3.6 mg/m3 (90日換算値: 0.0026 mg/L) 以上で鼻部前方に局所的に扁平上皮過形成・化生・配列不正の報告 (NITE初期リスク評価書 (2006)、CICAD 40 (2002)、CaPSAR (1999)、EHC 89 (1989))、ラット、マウスを用いた蒸気による2年間吸入毒性試験において、ラットでは区分1のガイダンス値の範囲内である2 ppm (0.0025 mg/L) 以上で鼻腔の上皮異形成、扁平上皮化生、鼻炎、杯細胞過形成、15 ppm (0.018 mg/L) で嗅上皮萎縮、過角化、扁平上皮異形性、呼吸上皮過形成、嗅上皮の杯細胞化生・扁平上皮過形成、気管の上皮異形成・扁平上皮化生、骨髄の過形成、マウスでは区分1のガイダンス値の範囲内である6 ppm (0.0074 mg/L) 以上で鼻腔の上皮異形成、扁平上皮化生、15 ppm (0.018 mg/L) で鼻炎、嗅上皮萎縮、鼻涙管の上皮過形成の報告がある (ECETOC TR6 (1982))。
また、経口経路では、ラットを用いた飲水投与による24ヵ月間反復経口投与毒性試験において区分2のガイダンス値の範囲内である1,900 mg/L (82 mg/kg/day) で腺胃の過形成、前胃の限局性角化亢進、胃炎がみられている (NITE初期リスク評価書 (2006)、CICAD 40 (2002)、CaPSAR (1999)、環境省リスク評価第1巻 (2002))。
以上より、区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。なお、経口経路での胃の所見は刺激に起因したと考えられるため分類根拠としなかった。
吸引性呼吸器有害性GHS分類: 分類対象外
GHSの定義におけるガスである。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)魚類 (ストライプトバス)の96時間LC50 = 1.8 mg/L (CICAD 40 (2002))他から、区分2とした。
水生環境有害性(長期間)急速分解性があり (BODによる分解度:91% (既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される (log Kow = 0.35 (PHYSPROP Database (2005)))ことから、区分外とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
なお、国連番号について、本物質はガスとしては該当しないが、参考としてホルムアルデヒド(水溶液)の国連番号を記載した。
国際規制
国連番号該当しない
国連品名該当しない
国連危険有害性クラス該当しない
副次危険該当しない
容器等級該当しない
国連番号 (水溶液)2209
国連品名 (水溶液)FORMALDEHYDE SOLUTION
国連危険有害性クラス
(水溶液)
8
副次危険 (水溶液)-
容器等級 (水溶液)V
国連番号 (水溶液)1198
国連品名 (水溶液)FORMALDEHYDE SOLUTION, FLAMMABLE
国連危険有害性クラス
(水溶液)
3
副次危険 (水溶液)8
容器等級 (水溶液)V
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書U及び
IBCコードによるばら積み
輸送される液体物質
該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策該当しない
その他 (一般的) 注意該当しない
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
化審法優先評価化学物質(法第2条第5項)
旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項)
労働安全衛生法作業環境評価基準(法第65条の2第1項)
危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)
特定化学物質第2類物質、特定第2類物質(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2,3号)
特定化学物質特別管理物質(特定化学物質障害予防規則第38条3)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質、特定第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)
毒物及び劇物取締法劇物(法第2条別表第2)
消防法貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10六別表2)
水道法有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号)
水質汚濁防止法指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3)
大気汚染防止法揮発性有機化合物(法第2条第4項)(環境省から都道府県への通達)
自主管理指針対象物質(環境庁通知)
特定物質 (法第17条第1項、政令第10条)
有害大気汚染物質、優先取組物質(中央環境審議会第9次答申)
建築基準法化学物質の建築材料への使用規制(法第28条の2の3、施行令第20条の5)
労働基準法疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。