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安全データシート
亜硝酸イソペンチル
作成日 2012年3月30日
改訂日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称亜硝酸イソペンチル
(Isopentyl nitrite)
製品コード23A5080
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急時の電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限ニトロソ化あるいはジアゾニウム塩の合成試薬
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H24.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
物理化学的危険性引火性液体区分2
健康に対する有害性急性毒性(吸入:蒸気)区分3
特定標的臓器毒性(単回ばく露)区分1(心血管系、血液系、神経系)
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、環境有害性については12項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示炎どくろ健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報引火性の高い液体及び蒸気
吸入すると有毒
臓器の障害(心血管系、血液系、神経系)
注意書き
安全対策熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地すること、アースをとること。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
応急措置吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
  医師に連絡すること。
  特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
皮膚(又は髪)に付着した場合:汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
ばく露した場合:医師に連絡すること。
  特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
火災の場合には、火元への燃焼源を断ち、適切な消火剤を使用して消火すること。
保管換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
廃棄内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名亜硝酸イソペンチル
別名亜硝酸イソアミル、亜硝酸3-メチルブチル、Isoamyl nitrite、3-Methylbutyl nitrite
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C5H11NO2 (117.15)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号110-46-3
官報公示整理番号(化審法)(2)-2796
官報公示整理番号(安衛法)(2)-2796
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし。

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
人工呼吸が必要なことがある。医療機関に連絡する。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。
医師に連絡すること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
眼に入った場合医師に連絡すること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
飲み込んだ場合医師に連絡すること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
口をすすぐこと。
予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状吸入 :紫色(チアノ−ゼ)の唇や爪、紫色(チアノ−ゼ)の皮膚、錯乱、痙攣、めまい、頭痛、発汗、吐き気、意識喪失、嘔吐、顔面紅潮。症状は遅れて現われることがある
皮膚 : 吸収される可能性あり!
眼 :データなし。
経口摂取 : 紫色(チアノ−ゼ)の唇や爪、紫色(チアノ−ゼ)の皮膚、錯乱、痙攣、めまい、頭痛、発汗、吐き気、意識喪失、嘔吐、顔面紅潮。症状は遅れて現われることがある
血液、心血管系に影響を与え、メトヘモグロビンの生成や心臓障害を起こすことがある。これらの影響は遅れて現われることがある。医学的な経過観察が必要である。
応急措置をする者の保護データなし。
医師に対する特別注意事項この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要である。指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。
暴露の程度によっては、定期検診が必要である。
血液、心血管系に影響を与え、メトヘモグロビンの生成や心臓障害を起こすことがある。これらの影響は遅れて現われることがある。医学的な経過観察が必要である。

5.火災時の措置
消火剤粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂
水噴霧、水溶性液体用泡消火薬剤
使ってはならない消火剤棒状水
特有の危険有害性当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。
当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。
引火性が高い。多くの反応により、火災や爆発を生じることがある。加熱すると、破裂の危険を伴う圧力上昇が起こる。
閉ざされた場所で燃焼すると、爆轟することがある。
特有の消火方法消火作業は、風上から行う。
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。
関係者以外は安全な場所に退去させる。
消火に粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂を使用すること。
ドラム缶などに水を噴霧して冷却する。安全な場所から消火作業を行う。
消火を行う者の保護消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスク・自給式呼吸器付化学保護衣など)を着用する。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
危険区域から立ち退く! 
専門家に相談する! 
必要に応じた換気を確保する。
環境に対する注意事項漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。大量の水で洗い流す。
多量の場合、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてから密閉式の容器などに回収する。
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。
漏出物の上をむやみに歩かない。
火花を発生しない安全な用具を使用する。
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
安全取扱い注意事項熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地すること、アースをとること。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
ミストの発生を防ぐ!
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
火気厳禁
充填、取り出し、取扱い時に圧縮空気を使用してはならない。
衛生対策取扱い後は手などをよく洗うこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
火気厳禁
耐火設備
強酸化剤から離しておく。
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。
容器包装材料データなし。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2010年度版)未設定
ACGIH(2011年版)未設定
設備対策蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
容器を接地すること、アースをとること。
火花を発生させない工具を使用すること。
保護具
呼吸器の保護具必要に応じて、適切な呼吸器用保護具を着用すること。
自給式呼吸器付化学保護衣
手の保護具保護手袋を着用すること。
眼の保護具保護眼鏡、保護面を着用すること。
皮膚及び身体の保護具保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
自給式呼吸器付化学保護衣

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体 (Merck (14th, 2006))
透きとおった黄色 (Merck (14th, 2006))
臭い果実臭 (Merck (14th, 2006))
臭いのしきい(閾)値データなし。
pHデータなし。
融点・凝固点データなし。
沸点、初留点及び沸騰範囲97−99℃ (Merck (14th, 2006))
引火点-20℃ (CC) (IMDG (2010))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし。
燃焼性(固体、気体)データなし。
燃焼又は爆発範囲データなし。
蒸気圧3.50mmHg (25℃) (HSDB (2003))
蒸気密度4.0 (Air=1) (HSDB (2003))
比重(相対密度)0.875 (20℃/4℃) (HSDB (2003))
溶解度水:441 mg/L (SRC Phys Prop (Access on June. 2011))
アルコール、クロロホルムおよびエーテルと混合する。(ホンメル (1996)
n-オクタノール/水分配係数2.77 (SRC Phys Prop (Access on June. 2011))
自然発火温度210℃ (ホンメル (1996))
分解温度データなし。
粘度(粘性率)データなし。

10.安定性及び反応性
反応性この物質の蒸気は空気より重く、地面あるいは床に沿って移動することがある;遠距離引火の可能性がある。
安定性引火性が高い。多くの反応により、火災や爆発を生じることがある。加熱すると、破裂の危険を伴う圧力上昇が起こる。
危険有害反応可能性加熱すると爆発することがある。燃焼すると分解し、有毒なガス(窒素酸化物など)を生じる。酸化剤と反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
避けるべき条件強酸化剤から離しておく。
混触危険物質データなし。
危険有害な分解生成物燃焼すると分解し、有毒なガス(窒素酸化物など)を生じる。

11.有害性情報
急性毒性
経口データ不足。なお、ラットのLD50値は505 mg/kg(RTECS (2009))との報告があるが、詳細不明である。GHS分類:分類できない
経皮データなし。GHS分類:分類できない
吸入:ガス常温で液体(liquid)(Merck (14th, 2006))である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気ラットのLC50値は716 ppm/4h(RTECS (2009)、FUNDAMENTAL AND APPLIED TOXICOLOGY 8, 101-106 (1987))。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(4605 ppm)の90%より低いので、ミストがほとんど混在していない蒸気として気体の基準値を適用した。GHS分類:区分3
吸入:粉じん及びミストデータなし。GHS分類:分類できない
皮膚腐食性及び刺激性データなし。GHS分類:分類できない
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性データなし。なお、ウサギの正常眼に亜硝酸アミルを適用し、表面にほんの僅かな傷害を起こした(HSDB (2003))との報告がある。GHS分類:分類できない
呼吸器感作性データなし。GHS分類:分類できない
皮膚感作性データなし。GHS分類:分類できない
生殖細胞変異原性in vivo 試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro 試験では、エームス試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陽性(NTP DB (1981))の報告がある。GHS分類:分類できない
発がん性データなし。GHS分類:分類できない
生殖毒性データなし。GHS分類:分類できない
特定標的臓器毒性(単回ばく露)本物質は狭心症、およびシアン化合物中毒の解毒のために医薬品使用されている。投与により平滑筋弛緩作用を示し、末梢血管拡張、血圧低下を起こし(医療用医薬品集(2010))、大量吸入ばく露後の症状として、顔面紅潮、拍動性頭痛、チアノーゼ、脱力、不穏、錯乱などを起こす(PATTY (5th, 2001))と記載されている。医薬品添付文書には、重大な副作用として頻度不明ながら、メトヘモグロビン血症、チアノーゼおよび溶血性貧血の記載もある(医療用医薬品集(2010))ことから区分1(心血管系、血液系)とした。また、高濃度の亜硝酸エステル類の吸入では、上記の症状に加え、めまい、運動失調、失神、鎮静作用、虚弱感など神経系様の症状が見られる(厚生労働省・薬事、食品衛生審議会指定薬物部会議事資料(2006))とも記載されていることから区分1(神経系)とした。GHS分類:区分1(心血管系、血液系、神経系)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)データなし。GHS分類:分類できない
吸引性呼吸器有害性データなし。GHS分類:分類できない

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)データなし。GHS分類:分類できない
水生環境有害性(長期間)データなし。GHS分類:分類できない
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。
国際規制 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。
国連番号1113
国連品名亜硝酸ペンチル
国連危険有害性クラス3
副次危険-
容器等級K
海洋汚染物質該当しない。
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報消防法・毒劇法の規定に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号129

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法危険物・引火性の物
毒物及び劇物取締法劇物
消防法第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体
船舶安全法引火性液体類
航空法引火性液体

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。