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安全データシート
硝酸第一タリウム
作成日 2008年10月20日
改訂日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称硝酸タリウム(I) (Thallium(I) nitrate)
製品コード20B0327
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H18.9.20 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性火薬類 区分外
 可燃性・引火性ガス 分類対象外
 可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
 支燃性・酸化性ガス類 分類対象外
 高圧ガス 分類対象外
 引火性液体 分類対象外
 可燃性固体 区分外
 自己反応性化学品 分類対象外
 自然発火性液体 分類対象外
 自然発火性固体 区分外
 自己発熱性化学品 分類できない
 水反応可燃性化学品 区分外
 酸化性液体 分類対象外
 酸化性固体 区分2
 有機過酸化物 分類対象外
 金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性急性毒性(経口) 区分2
 急性毒性(経皮) 分類できない
 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
 急性毒性(吸入:粉じん) 分類できない
 急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
 皮膚腐食性・刺激性 区分1-1A
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分1
 呼吸器感作性 分類できない
 皮膚感作性 分類できない
 生殖細胞変異原性 分類できない
 発がん性 区分外
 生殖毒性 分類できない
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) 区分1(心血管系 神経系 呼吸器 )
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) 区分2(肝臓 腎臓 )
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) 区分1(皮膚 精巣 神経系 )
 吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性水生環境急性有害性 区分2
 水生環境慢性有害性 区分2
ラベル要素
絵表示又はシンボル腐食性環境円上の炎健康有害性どくろ
注意喚起語危険
危険有害性情報火災助長のおそれ:酸化性物質
 飲み込むと生命に危険
 重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
 重篤な眼の損傷
 呼吸器、心血管系、神経系の障害
 肝臓、腎臓の障害のおそれ
 長期又は反復ばく露による神経系、精巣、皮膚の障害
 水生生物に毒性
 長期的影響により水生生物に毒性
注意書き
 【安全対策】
 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
 衣類、その他の可燃物から遠ざけること。
 裸火または他の着火源に噴霧しないこと。
 適切な保護手袋、保護面を着用すること。
 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。
 適切な保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
 環境への放出を避けること。
 粉じん、ヒューム、スプレーを吸入しないこと。
 【応急措置】
 火災の場合には適切な消火方法をとること。
 皮膚又は毛に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぎ又は取り除くこと。皮膚を流水又はシャワーで洗うこと。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
 飲み込んだ場合、口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
 吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 皮膚に付着した場合、眼に入った場合、飲み込んだ場合、吸入した場合は、直ちに医師に連絡すること。
 ばく露した時、又は気分が悪い時は、医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 漏出物は回収すること。
 火災の場合には適切な消火方法をとること。
 【保管】
 可燃物及び禁忌物質から離して保管すること。
 施錠して保管すること。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名硝酸第一タリウム
別名
分子式(分子量)NO3TI (266.387)
化学特性(示性式又は構造式)示性式又は構造式:20B0327
CAS番号:10102-45-1
官報公示整理番号(化審法・安衛法)(1)-1170
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 直ちに医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。
 皮膚を流水またはシャワーで洗うこと。
 直ちに医師に連絡すること。
目に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
 直ちに医師に連絡すること。
 

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤(水素化炭酸塩を除く)、乾燥砂類
使ってはならない消火剤炭酸ガス、水素化炭酸塩の粉末消火剤
特有の危険有害性火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。
 加熱により容器が爆発するおそれがある。
 不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、他の可燃物を燃焼させまたは助長するおそれがある。
 不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。
 火災に巻き込まれると、燃焼を加速する。
 加熱されたり、火災に巻き込まれると、爆発的に分解するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
 容器が熱に晒されているときは、移さない。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。
 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
 密閉された場所は換気する。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
回収・中和漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化方法・機材プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。
二次災害の防止策すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
 可燃物(木、紙、油等)は漏洩物から隔離する。
 容器内に水を入れてはいけない。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 接触、吸入又は飲み込まないこと。
 眼に入れないこと。
 環境への放出を避けること。
接触回避可燃物と混触禁止
保管
技術的対策特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質可燃物
保管条件特に技術的対策は必要としない。
 冷所、換気の良い場所で保管すること。
 容器を密閉して保管すること。
 可燃物及び禁忌物質から離して保管すること。
 熱から離して保管すること。
 火源の近くに保管しない。
 施錠して保管すること。
容器包装材料データなし
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会(2007年版)未設定
ACGIH(2007年版)0.1mg/m3 (as Tl)TWA
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 特別な換気要求事項はない。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体
データなし
臭いデータなし
pHデータなし
融点・凝固点206℃: NITE (Access on Oct.2008)
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
引火点データなし
自然発火温度データなし
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲データなし
蒸気圧2.79E-011 mm Hg at 25℃: PhysProp (Access on Oct.2008)
蒸気密度データなし
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)5.556: NITE (Access on Oct.2008)
溶解度39.1~95 g/L: NITE (Access on Oct.2008)
オクタノール・水分配係数0.21: PhysProp (Access on Oct.2008)
分解温度450℃: NITE (Access on Oct.2008)
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性データなし
避けるべき条件データなし
混触危険物質可燃物
危険有害な分解生成物データなし
 

11.有害性情報
急性毒性 
経口マウスを用いた経口投与試験の LD50=15 mg/kg (RTECS (2004)) に基づき、区分2とした。
経皮データなし
吸入吸入(ガス):GHS の定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
 吸入(蒸気):データなし
 吸入(粉じん):データなし
 吸入(ミスト):データなし
皮膚腐食性・刺激性HSDB (2006) のヒト疫学事例に「皮膚と眼に重度の火傷をひきおこす」とあることから、皮膚腐食性を与えるものと判断し、区分1A-1Cとしたが、細区分が必要な場合には、安全性の観点から区分1Aとする方が望ましい。
眼に対する重篤な損傷・刺激性HSDB (2006) のヒト疫学事例に「皮膚と眼に重度の火傷をひきおこす」とあることから、眼に腐食性を与えるものと判断し、区分1とした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データなし 
皮膚感作性:  データなし
生殖細胞変異原性データなし
発がん性EPA (1990) でDに分類されていることから、区分外とした。
生殖毒性データなし
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)ヒトについては、「肺はび漫性の肺胞傷害を示した。心筋への激しい傷害が見られた。脳神経及び末梢神経のニューロパチ−も観察された」(ATSDR (1992))、「腎臓および肝臓の一過性の病変とポリニューロパチーに移行する一過性の視神経のニューロパチーがみられた」(HSDB (2005))等の記述があることから、神経系、呼吸器、心血管系、腎臓、肝臓が標的臓器と考えられた。腎臓、肝臓への影響はPriority 2に属する評価書からの引用であるため区分2に分類する。 以上より、分類は区分1(神経系、呼吸器、心血管系)、区分2(腎臓、肝臓)とした。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)ヒトについては、「吸入ばく露されたタリウムは神経に影響を及ぼす」(ATSDR 1992)、「主訴は、腹痛、疲労感、刺激性、体重減、脚の痛みであった。脱毛が4人に見られた」(ACGIH 2001)、「興奮と不眠が最初の症状であった」(PATTY (5th 2001))、「感覚異常や筋肉および関節痛等の多発性神経炎、頭痛、不眠、疲労感等の神経症状」(EHC 182 (1996))等の記述があり、さらにIPCS(J)には「心臓血管系、神経系に影響を与えることがある。」(2002)に記述がある。実験動物では、「混乱状態、攻撃性、下痢、脱毛を起こした」、「細管上皮細胞の不整、細胞質内空胞化、セロトリ細胞小胞体膨満等の精巣への影響」(EHC 182 (1996))等の記述があることから、神経系、皮膚、精巣、心臓血管系が標的臓器と考えられた。また心臓血管系への影響はPriority 2に属する評価書からの引用であるため区分2に分類する。 以上より、分類は区分1(神経系、皮膚、精巣)、区分2(心臓血管系)とした。
吸引性呼吸器有害性データなし
 

12.環境影響情報
水生環境急性有害性甲殻類(オオミジンコ)の24時間LC50=1142μg/L(AQUIRE、2003)から、区分2とした。
水生環境慢性有害性急性毒性が区分2、金属化合物であり水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分2とした。
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報IMOの規定に従う。
航空規制情報ICAO/IATAの規定に従う。
UNNo.2727
ProperShippingName.Thallium nitrate
Class6.1
国内規制
陸上規制情報毒劇法の規制に従う。
 消防法の規制に従う。
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
 
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
 重量物を上積みしない。
 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
緊急時応急措置指針番号141
 

15.適用法令
労働安全衛生法危険物・酸化性の物(施行令別表第1第3号)
 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
毒物及び劇物取締法劇物(法第2条別表第2)(法令番号:2-52)
 劇物(指定令第2条)(政令番号:64)
海洋汚染防止法個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第2種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)(政令番号:2-44)
消防法第1類酸化性固体、硝酸塩類(法第2条第7項危険物別表第1・第1類)
船舶安全法毒物類・毒物
航空法毒物類・毒物
港則法毒物類・毒物
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。