職場のあんぜんサイト

安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
トリクロロシラン
作成日 2008年11月06日
改訂日 2020年03月13日
改訂日 2023年3月31日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称トリクロロシラン
化学品の英語名称Trichlorosilane
製品コードR04-C-047-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限シリコン単結晶の原料、シリコンウエハーのエピタキシャル成長、高純度石英ファイバー材料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 ※一部、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)、JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
物理化学的危険性引火性液体区分1
水反応可燃性化学品区分1
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
急性毒性(吸入:蒸気)区分3
皮膚腐食性/刺激性区分1
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分1(呼吸器)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1(呼吸器)
分類実施日
(環境有害性)
マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示炎どくろ腐食性健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報極めて引火性の高い液体及び蒸気
水に触れると自然発火するおそれのある可燃性ガスを発生
飲み込むと有害
吸入すると有毒
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷
呼吸器の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害
注意書き
 安全対策熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する措置を講ずること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
水と接触させないこと。
湿気を遮断し、不活性ガス/・・・下で取り扱うこと。
注)”…”は、製造業者、供給者が指定する条件を記入してください。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
 応急措置皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
皮膚に付着した場合:固着していない粒子を皮膚から払いのけ、冷たい水に浸すこと。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
 保管換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
乾燥した場所で密閉容器に保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名トリクロロシラン
慣用名又は別名情報なし
英語名Trichlorosilane
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)Cl3HSi (135.45)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号10025-78-2
官報公示整理番号(化審法)1-224
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動させ、半座位にし安静にさせる。必要な場合は人工呼吸を行う。医師の診察/手当てを受けること。
以上、ICSC参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を多量の水かシャワーで洗浄する。医師の診察/手当てを受けること。
以上、ICSC参照。
眼に入った場合多量の水で数分間洗浄する。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、洗浄を続ける。医師の診察/手当てを受けること。
以上、ICSC、GHS分類結果参照。
飲み込んだ場合口をすすぐ。無理に吐かせない。何も飲ませない。医師の診察/手当てを受けること。
以上、ICSC参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:咳、咽頭痛、灼熱感、息苦しさ、息切れ、症状は遅れて現われることがある 。
皮膚:発赤、痛み、水疱、皮膚熱傷。
眼:充血、痛み、重度の熱傷。
経口摂取:灼熱感、腹痛、ショック/虚脱。
以上、ICSC参照。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤水噴霧、粉末消火薬剤、乾燥砂、石灰紛、二酸化炭素
以上、GESTIS参照。
使ってはならない消火剤
以上、GESTIS参照。
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(塩化水素)が放出される可能性がある。
以上、GESTIS参照。
特有の消火方法可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。バックファイヤーに注意する。防爆機器を使用する。
以上、GESTIS参照。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置全ての着火源を断つ。周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。
以上、GESTIS参照。
環境に対する注意事項水域に対する危険性は低い。非常に多量に水、排水、下水、または地中に入った場合は、自治体に連絡する。
以上、GESTIS参照。
封じ込め及び浄化の方法及び機材こぼれた液体を吸収剤(例:珪藻土、バーミキュライト、砂)で吸収し、規則に従って廃棄する。火花の出ない器具を使用する。
その後、換気し、漏出した場所を洗浄する。水は使用しないこと。
以上、GESTIS参照。
二次災害の防止策付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項容器を開けたままにしない。容器を接地しアースを取る。飛沫を避ける。接触を避ける。圧縮空気で輸送してはならない。使用時は十分な換気をすること。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
以上、GESTIS、GHS分類結果参照。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入を避ける。汚染された衣服は慎重に交換、洗浄しなければならない。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GESTIS参照。
保管
安全な保管条件施錠して保管する。容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管すること。推奨保管温度:2〜8 ℃。湿気、熱源は避ける。内容物を窒素ガス下で保管する。
以上、GESTIS、GHS分類結果参照。
安全な容器包装材料消防法、毒劇法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度等
日本産衛学会(2022年版)未設定
ACGIH(2022年版)未設定
設備対策作業場所の換気を良くする。ガスは空気より重いので床面での十分な換気も必要である。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
以上、GESTIS参照。
保護具
呼吸用保護具緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。
状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。
防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。
-防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
-濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する
注) ”…”は、物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
-作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。
以上、GESTIS参照。
手の保護具保護手袋を着用する。繊維製、革製手袋は適さない。
以上、GESTIS参照。
眼の保護具化学用安全ゴーグルを着用する。顔面が危険な場合は、保護シールドも着用する。目を傷める可能性のある蒸気やエアロゾルが発生した場合、全面マスクを着用すること。
以上、GESTIS参照。
皮膚及び身体の保護具必要に応じて十分な長さのエプロンと長靴、または化学防護服を着用する。耐火性/帯電防止性のある保護衣を着用する。
以上、GESTIS参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色
臭い刺激臭
融点/凝固点-134 ℃(GESTIS(2022))
-126.5 ℃(ICSC(2018))
沸点、初留点及び沸騰範囲32 ℃(GESTIS(2022))
31.8 ℃(ICSC(2018))
可燃性データなし
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界6.9 vol.%(GESTIS(2022))
1.2〜90.5 (vol.%)
ICSC(2018)
引火点<-20 ℃(Closed cup)(GESTIS(2022))
-27 ℃(Closed cup)(ICSC(2018))
自然発火点195 ℃(GESTIS(2022))
185 ℃(ICSC(2018))
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: (激しく分解)
GESTIS(2022): 水 (反応する)(ICSC(2018))
n-オクタノール/水分配係数データなし
蒸気圧660 hPa(20℃)(GESTIS(2022))
65.8 kPa(20℃)(ICSC(2018))
密度及び/又は相対密度1.34 g/cm3(20℃)(GESTIS(2022))
1.34 (ICSC(2018))
相対ガス密度4.68 (GESTIS(2022))
4.7 (ICSC(2018))
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性加熱すると、分解する。 塩化水素を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 水、強酸化剤、強酸および塩基と 激しく反応する。 塩化水素を生じる。 水の存在下で、多くの金属を侵す。
避けるべき条件火気、加熱、高温、静電気、爆発性混合気の形成。水との接触。
混触危険物質強酸化剤、アセトニトリル + ジフェニルスルホキシド、アルコール、アンモニア、アセトン、アルカリ、空気
危険有害な分解生成物塩化水素、水素、ケイ素酸化物

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50:1,030 mg/kg (SIDS (2013)、HSDB (Access on July 2019))
経皮【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
(1) より、区分3とした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気濃度 (781,114.3 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
また、旧分類が分類根拠としたRTECSはList3の情報源であり、マウスの知見であることから、今回使用しなかったため、分類結果が変更となった。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (1時間): 2,767 ppm (4時間換算値: 1,383.5 ppm) (HSDB (Access on July 2019))
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)〜(5)より、本物質に関する知見は少ないが、加水分解して生じる塩化水素が皮膚腐食性を示すこと、ECHA RAC Opinionにおける構造関連物質が皮膚腐食性を示すことからリードアクロスにより、細区分せず区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直したが、変更はない(2022年度)。

【根拠データ】
(1)本物質は水、湿気により加水分解することが知られており、CLP分類でSkin Corr. 1Aに分類されている塩化水素(CAS登録番号:7647-01-1)を生じる。水分のある条件下では塩化水素はCLP分類でSkin Corr. 1Bに分類されている塩酸となる。(ECHA RAC Opinion (2020))。
(2)構造関連物質であるトリクロロ(メチル)シラン(CAS登録番号:75-79-6)について、ウサギ(n=2)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、3分適用、24時間観察)において、適用1時間以内に中程度の浮腫及び全層壊死がみられた(区分1Aに相当する結果)との報告がある(ECHA RAC (Background Doc.) (2020))。
(3)構造関連物質であるトリクロロ(2,4,4−トリメチルペンチル)シラン(CAS登録番号:18379-25-4)について、ウサギ(n=1)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404相当、GLP、3分適用)において、重度の紅斑、中程度の浮腫及び重度の青白化がみられた(区分1Aに相当する結果)との報告がある(ECHA RAC (Background Doc.) (2020))。
(4)構造関連物質であるジクロロ(3−クロロプロピル)(メチル)シラン(CAS登録番号:7787-93-1)について、ウサギ(n=1)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、3分適用)において、2分後に重度の紅斑、浮腫及び壊死がみられた(区分1Aに相当する結果)との報告がある(ECHA RAC (Background Doc.) (2020))。
(5)本物質は皮膚腐食性を示す(HSDB in PubChem (Accessed Oct. 2022))。

【参考データ等】
(6)EUではSkin Corr. 1Aに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2022))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質の液体へのばく露はヒトの皮膚及び眼に激しい火傷をを引き起こす (HSDB (Access on July 2019))。
(2) 本物質は皮膚腐食性 (区分1) に区分されている。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
in vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質のin vivoデータはない。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (SIAP (2013))。
発がん性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖毒性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分1 (呼吸器) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は呼吸器系に強い刺激性を示すとの記載がある (HSDB (Access on July 2019))。
(2) 本物質を含むクロロシランは水と反応して速やかに塩酸 (CAS番号 7647-01-0) を生成するため、本物質の毒性影響は生体内で生じた塩酸のばく露による気道と眼に対する影響であることが予測される。塩酸は皮膚、眼、気道に腐食性と刺激性を示す (SIAP (2013))。
(3) ラット及びマウスでは、塩酸のエアロゾルの吸入ばく露により、区分1付近の濃度で、肺胞気腫、無気肺、肺水腫による呼吸不全で死亡がみられた (SIDS (2005))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1) より、本物質へのばく露により、加水分解生成物である塩酸 (CAS番号 7647-01-0) とシラントリオール (CAS番号 2445-53-6) による影響が生じると考えられ、(2)、(3) より、ヒト及び実験動物において塩酸の腐食性または刺激性によるものと考えられる呼吸器等への影響がみられていることから、区分1 (呼吸器) とした。新たな情報を加えて検討を行い、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質を含むクロロシランは水と反応して速やかに塩酸とシラントリオールを生成すると予測される (SIAP (2013))。
(2) 吸入により呼吸器に重度の刺激性を生じる (HSDB (Access on July 2019))。
(3) ラットに本物質を9日間 (6時間/日、5日間/週) 吸入ばく露した結果、25 ppm (ガイダンス値換算: 0.014 mg/L、区分1の範囲) で気道刺激、体重減少及び肺重量増加、50 ppm (ガイダンス値換算: 0.028 mg/L、区分1の範囲) で間質性肺炎、肺胞性組織球増多症がみられ、100 ppm (ガイダンス値換算: 0.055 mg/L、区分1の範囲) で75%が死亡した (HSDB (Access on July 2019))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)データがなく分類できない。
水生環境有害性 長期(慢性)データがなく分類できない。
残留性・分解性情報なし
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号1295
品名(国連輸送名)トリクロロシラン
国連分類4.3
副次危険3, 8
容器等級T
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*139
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付の義務化候補物質リスト(令和4年)
危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)
消防法第3類 自然発火性物質及び禁水性物質(法第2条第7項危険物別表第1・第3類)【塩素化けい素化合物】
船舶安全法可燃性物質類・水反応可燃性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法可燃性物質類・水反応可燃性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)
港則法その他の危険物・可燃性物質類(水反応可燃性物質)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
R5.3.31: 皮膚腐食性/刺激性項目を見直した。