安全データシート
テルル
作成日2002年12月3日
改定日2006年 4月 19日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: テルル
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急時の電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 特殊鋼(鉄鋼の切削性向上)用添加剤、テルル化銅、触媒合成ゴムの加硫促進剤、ガラス・陶磁器着色剤、感光体セレン合金テルル化カドミニウム(太陽電池用)、テルル化ビスマステルル化鉛(半導体用)、電子工業材料

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類できない
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 分類できない
水反応可燃性化学品 分類できない
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分3
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 分類できない
急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分2
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2A-2B
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 分類できない
生殖毒性 区分2
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) 区分2(末梢神経系) 区分3(気道刺激性)
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) 分類できない
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: どくろ 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 飲み込むと有毒(経口)
皮膚刺激
強い眼刺激
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
末梢神経系の障害のおそれ、呼吸器への刺激のおそれ
注意書き: 【安全対策】
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
粉じんを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
汚染された保護衣を再使用する場合には洗濯すること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合:直ちに医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: テルル(Tellurium)
別名: テルリウム(Tellurium)
化学式: Te
化学特性(化学式又は構造式):
CAS番号: 13494-80-9
官報公示整理番号 対象外(元素)
(化審法・安衛法):
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師の手当、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 汚染された衣類を脱ぐこと。
皮膚を速やかに洗浄すること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
医師の手当、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入:し眠、口内乾燥、金属味、頭痛、にんにく臭、吐き気。
眼:発赤、痛み。
経口摂取:腹痛、便秘、嘔吐。他の症状については「吸入」参照。
最も重要な兆候及び症状:
医師に対する特別注意事項: 医学的な経過観察が必要である。

5.火災時の措置
消火剤: 泡消火剤、二酸化炭素、ドライケミカル
特有の危険有害性: 火災によって刺激性、又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め完全な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和: 漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: 床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気装置・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気装置、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
眼に入れないこと。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 酸化剤から離して保管する。
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料: 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 0.1mg/m3
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具を着用すること。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 金属的特徴のある、暗灰色〜茶色の非結晶性粉末、又は銀白色の光沢のある結晶性固体 14)
臭い: 無臭
pH: データなし
融点・凝固点: 449.5℃ 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 989.8℃ (沸点) 14)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 0.133kPa (793K:520℃) 48)
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): 6.0-6.25g/cm3  14)
溶解度: 溶けない 14)
ベンゼン、二硫化炭素に不溶 2)
オクタノール/水分配係数: データなし
自然発火温度: 340℃ 14)
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 空気中で粒子が細かく拡散して爆発性の混合気体を生じる。
危険有害反応可能性: ハロゲン又はハロゲン間化合物と激しく反応し、火災の危険をもたらす。
亜鉛と白熱しながら反応する。
避けるべき条件: 加熱すると、有毒なヒュームを生じる。
混触危険物質: ケイ化リチウムはテルルを白熱しながら侵す。
ハロゲンやハロゲン間化合物との接触に注意する。
危険有害な分解生成物: 燃焼の際は、有毒なヒュームが生成されることがある。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラット LD50 83mg/kg 11) , 6)
飲み込むと有毒(区分3)
経皮 データなし
吸入(粉じん) ラット LC50 >2.42mg/L/4H 11) データ不足のため分類できない
皮膚腐食性・刺激性: 皮膚を刺激するとの記述から、区分2とした。 12) , 13)
皮膚刺激(区分2)
眼に対する重篤な損傷/刺激性: 眼を刺激するとの記述から、区分2A-2Bとした。 12) , 13)
重篤な眼への刺激(区分2A-2B)
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:データなし
生殖細胞変異原性: データなし
発がん性: データなし
生殖毒性: ラットを用いた妊娠6-15日混餌経口投与試験において親動物に一般毒性が認められる用量で子に奇形(水頭症)が認められた 6) との記載から、区分2とした。なお8)にはラットを用いた試験で母乳を介したばく露により子の神経系に影響(坐骨神経痛のシュワン細胞とミリ絵リンの変性、神経系の髄鞘低形成)が認められたとの記述がある。
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い(区分2)
特定標的臓器・全身毒性 幼若ラットを用いた混餌経口投与試験で末梢神経系への影響が認められた 8) との記述から、区分2(末梢神経系)とした。また 14) , 6) , 12) , 13) 気道を刺激するとの記述から、区分3(気道刺激性)とした。
(単回ばく露):
末梢神経系の障害のおそれ(区分2)
呼吸器への刺激のおそれ
特定標的臓器・全身毒性 製鉄所での22か月間の職業ばく露例10),8)では、呼気のにんにく臭、金属味、口渇、発汗、眠気および吐き気など、いずれも障害を残さない一過性の軽微な症状のみが認められたことから、分類できないとした。
(反復ばく露):
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データ不足のため分類できない
水生環境慢性有害性: データ不足のため分類できない

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 3179
Proper Shipping Name: FLAMMABLE SOLID, TOXIC, INORGANIC, N.O.S.
Class: 4.1
Sub Risk: 6.1
Packing Group: III
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 3179
Proper Shipping Name: Flammable solid, toxic, inorganic, n.o.s.
Class: 4.1
Sub Risk: 6.1
Packing Group: III
国内規制
陸上規制情報 消防法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 3179
品名: その他の可燃性物質(無機物)(固体)(毒性のもの)
クラス: 4.1
副次危険: 6.1
容器等級: III
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 3179
品名: その他の可燃性物質(毒性のもの)(無機物)
クラス: 4.1
副次危険: 6.1
等級: III
特別の安全対策 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
危険物の運搬中危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を通知すべき有害物
(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
(政令番号第376号)
消防法: 第2類可燃性固体、金属粉(法第2条第7項危険物別表第1)
化学物質排出把握管理促進法 第2種指定化学物質
(PRTR法): (法第2条第3項、施行令第2条別表第2)
(政令番号 第 50号)
船舶安全法: 可燃性物質類・可燃性物質
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法: 可燃性物質類・可燃性物質
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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30) 日本産業衛生学会誌 (2005)
31) 有機化合物辞典 (1985)
32) IRIS (2005)
33) 環境省リスク評価  第2巻 (2003)
34) ALGY学会(感)物質リスト(案)
35) EHC 163 (1994)
36) EU-Annex I (2005)
37) Gangolli (2nd, 1999)
38) NICNAS(1994)
39) EPA (1991)
40) IARC 73 (1999)
41) IARC 48(1990)
42) Eur Respr J. 25(1):201-204(2005)
43) CICAD 8(1998)
44) NTP DB (access on December 2005)
45) NTP RoC (11th, 2005)
46) ACGIH (2001)
47) 溶剤ポケットブック (1996)
48) Ullmanns (E) (5th, 1995) A26:p177-186
49) IRIS (Access on Aug 2005)
50) CERI・NITE有害性評価書 No.16 (2004)
51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERI・NITE有害性評価書 No.12 (2004)
53) NFPA(13th,2001)
54) NITE初期リスク評価書No.16 (2005)
55) ACGIH-TLV (2005)
56) Dean(15th Ed.)
災害事例
情報なし