製品安全データシート
クロロジフルオロメタン
(別名 HCFC‐22)
作成日2002年3月 12日
改定日2006年8月8日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: クロロジフルオロメタン(別名 HCFC‐22)
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急連絡電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: エアコン、低温冷凍装置などの冷媒
半導体エッチングガス、四フッ化樹脂原料、エアゾール噴射剤

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 区分外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 区分外
高圧ガス 液化ガス
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 分類対象外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
人健康有害性 急性毒性(経口) 分類できない
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:気体) 区分外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん) 分類対象外
急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分3
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2B
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 区分外
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 区分外
生殖毒性 区分1B
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分3(麻酔作用)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
分類できない
吸引性呼吸器有害性 分類対象外
環境有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: ガスボンベ 健康有害性 感嘆符
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 加圧ガス:熱すると爆発のおそれ
軽度の皮膚刺激
眼刺激
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
眠気又はめまいのおそれ
注意書き: 【安全対策】
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
ガスを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
日光から遮断して容器を密閉して換気の良い場所で施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。

国・地域情報:

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: クロロジフルオロメタン(Chlorodifluoromethane)
別名: ジフルオロクロロメタン(Difluorochloromethane)
フレオン22(Freon 22)
フロン22(Fron 22)
HCFC‐22(HCFC-22)
化学式: CHClF2
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 75-45-6
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(2)-93
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 99%以上

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師の手当、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
医師の手当、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入した場合:不整脈、錯乱、し眠、息切れ、意識喪失。
皮膚に付着した場合:液体に触れた場合、凍傷を起こす。
眼に入った場合:発赤、痛み。
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素
大火災:散水、噴霧水、一般の泡消火剤
特有の危険有害性: 加熱により容器が爆発するおそれがある。
破裂したボンベが飛翔するおそれがある。
火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。
漏洩部や安全装置に直接水をかけてはいけない。凍るおそれがある。
損傷したボンベは専門家だけが取り扱う。
火災の種類に応じて適切な消火剤を用いる。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め適切な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
低地から離れる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
漏洩場所を換気する。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和: 少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。
大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、ポンプで汲み取る。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。
蒸発を抑え、蒸気の拡散を防ぐため散水を行う。
この物質は蒸発させてもよい。
二次災害の防止策: 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
漏洩物又は漏洩源に直接水をかけない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項: 使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
容器は丁寧に取り扱い、衝撃を与えたり、転倒させない。
容器の取り付け、取り外しの作業の際は、漏洩させないよう、十分注意する。
使用後は、バルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。
多量に吸入すると、窒息する危険性がある。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 容器は保安上使用開始後1年以内に、速やかに販売事業者に返却すること(高圧ガス保安協会指針)。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 容器は直射日光や火気を避け、40℃以下の温度で保管すること。
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 1000ppm 3500mg/m3
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 1000ppm A4
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
高熱工程でガスが発生するときは、空気汚染物質を管理濃度・許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
必要に応じて適切な呼吸器保護具を使用すること。
手の保護具: 保温用手袋を着用すること。
必要に応じて適切な保護手袋を使用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
必要に応じて個人用の眼の保護具を使用すること。
皮膚及び身体の保護具: 必要に応じて適切な保護衣、保護面を使用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色の圧縮液化ガス 14)
臭い: 甘ったるいにおい 4)
pH: データなし
融点・凝固点: -146℃(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: -41℃(沸点) 14)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 908 kPa (20℃) 14)
蒸気密度(空気 = 1): 3.0 14)
比重(密度): 1.21 14)
溶解度: 0.3 g/100 mL (25℃)(水) 14)
アセトンに > 10%、クロロホルムに > 10%、エチルエーテルに > 10% 6)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 1.08 14)
自然発火温度: 632℃ 14)
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  該当しない
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 通常の温度、圧力では安定。
高温面や炎への接触により分解し、有毒ガス(塩化水素、ホスゲン、塩素、フッ化水素)を生成する。
危険有害反応可能性: アルミニウム、亜鉛などの粉末金属と激しく反応し、火災や爆発を引き起こすことがある。
マグネシウムやマグネシウム合金を侵す。
避けるべき条件: 高温。
混触危険物質: アルカリ、アルミニウム、ナトリウム、カリ、亜鉛、マグネシウム、マグネシウム合金。
危険有害な分解生成物: 塩化水素、ホスゲン、塩素、フッ化水素等の有害ガスが発生。

11.有害性情報
急性毒性: 経口:データなし
経皮:データなし
吸入(気体):ラット吸入 LC50 = 220000ppm/4H 8) に基づき、区分外とした。
皮膚腐食性・刺激性: ウサギの試験において、閉塞条件下で液体状で投与した場合にのみ刺激性があること 35) 、及び、ラットの繰り返しばく露でも紅斑とわずかな浮腫 35) , 22) が見られたことから、区分3 とした。【注記】 冷媒効果による凍傷という報告 14) もある。
軽度の皮膚刺激(区分3)
眼に対する重篤な損傷・刺激性: ウサギの試験で、slightly irritating to the eyes 8) とされているので、区分2B とした。
眼刺激(区分2B)
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし 
皮膚感作性:モルモットでのマキシマイゼーション法の変法による試験において感作性がないとの記載 22) , 35) , 8) に基づき、区分外とした。
生殖細胞変異原性: in vivo 試験 (ラット、マウスを用いる優性致死試験、ラット、マウス骨髄細胞を用いる染色体異常試験) で陰性 8) , 40) , 35) のため、区分外とした。
発がん性: IARC 分類が3、ACGIH 評価がA4 であることから、区分外とした。
生殖毒性: ラットで親動物に一般毒性が認められない用量で、無眼球症と小眼球症の僅かだが有意な増加が報告されている 20) , 32) ことから、区分1Bとした。
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ(区分1B)
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
動物実験 (ラット、モルモット、サル) で、麻酔作用 10) , 8) が報告されているため、区分3(麻酔作用) とした。
眠気又はめまいのおそれ(区分3)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
データ不足のため、分類できない。
吸引性呼吸器有害性: 常温気体であり、分類対象外である。

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データ不足のため分類できない
水生環境慢性有害性: データ不足のため分類できない

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 高圧ガスを廃棄する場合は、高圧ガス保安法一般高圧ガス保安規則の規定に従うこと。
汚染容器及び包装: 高圧ガスの容器を廃棄する場合は、製造業者等専門業者に回収を依頼すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1018
Proper Shipping Name: CHLORODIFLUOROMETHANE
Class: 2.2
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1018
Proper Shipping Name: Chlorodifluoromethane
Class: 2.2
国内規制
陸上規制情報 高圧ガス保安法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1018
品名: クロロジフルオロメタン
クラス: 2.2
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1018
品名: クロロジフルオロメタン
クラス: 2.2
特別の安全対策 移動、転倒、衝撃、摩擦などを生じないように固定する。
運搬時には容器を40℃以下に保ち、特に夏場はシートをかけ温度上昇の防止に努める。
火気、熱気、直射日光に触れさせない。
鋼材部分と直接接触しないようにする。
重量物を上乗せしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を通知すべき有害物
(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
(政令番号第149号)
化学物質排出把握管理促進法
(PRTR法):
第1種指定化学物質
(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
(政令番号第85号)
高圧ガス保安法: 液化ガス
(法第2条3)
オゾン層保護法: 特定物質議定書付属書CのグループI(施行令第1条)
船舶安全法: 高圧ガス
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法: 高圧ガス
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERI・NITE有害性評価書 No.12 (2004)
53) NFPA (13th, 2001)
54) NITE初期リスク評価書No.16 (2005)
55) ACGIH-TLV (2005)
56) Dean (15th, Ed.)
災害事例
情報なし